2025/03/10

建設業DX成功への道筋とは？業務整理から始める収益改善と競争力強化

建設業 DX

建設業界を取り巻く環境は、人手不足の深刻化、資材価格の高騰、働き方改革への対応など、多くの課題に直面しています。

こうした状況下で、多くの建設会社の経営者は「このまま従来のやり方を続けていけるのか」という不安を抱えています。

DX（デジタルトランスフォーメーション）という言葉をよく耳にするようになりましたが、「自社には関係ない」「大企業だけのもの」と考えていませんか？

実は、中小建設業こそDXの恩恵を最大限に受けられる可能性があります。

株式会社デルタでは、DX化に役立つシステムの開発や運営も行っております。

本記事では、建設業におけるDXの意義、具体的な進め方、そして業務整理から始める実践的なアプローチについてご紹介します。

DXの本質とは？

DXという言葉だけが先行し、「高額なシステム導入」「複雑なIT技術の活用」というイメージを持たれている経営者も少なくありません。

しかし、建設業におけるDXの本質は、「デジタル技術を活用して業務プロセスを再構築し、生産性向上と新たな価値創出を実現すること」です。

つまり、単にITツールを導入することではなく、まず自社の業務を見直し、効率化すべき点や改善すべき点を明確にした上で、適切なデジタル技術を活用していくことが重要なのです。

なぜ今、建設業DXが必要なのか？

建設業DXは、高齢化が進む業界の生産性向上と技術継承を支える重要な手段です。

デジタル技術を活用することで、業務の効率化、安全性の向上、コスト削減が実現でき、持続可能な成長が可能になります。

深刻化する人手不足への対応

建設業界の就業者数は減少傾向にあり、特に熟練技術者の高齢化が進んでおり、若手入職者は年々減少しています。

少子高齢化社会の中で人手不足に悩む企業は少なくありません。

そんな状況下にあっても高い生産性を維持するためには、デジタル技術の活用が不可欠です。

働き方改革への対応

2024年度から、建設業にも時間外労働の上限規制が全面適用されます。

長時間労働が常態化している現場では、業務効率化は待ったなしの課題です。

DXによる業務プロセスの改善は、この課題解決に直結します。

競争力の維持・強化

公共工事における電子入札の普及や、BIM/CIMの活用要件化など、デジタル対応が取引条件になりつつあります。

また、顧客からもデジタル技術を活用した高品質なサービスが求められるようになっています。

DXへの取り組みは、今や競争力維持のための必須条件といえるでしょう。

建設業DX成功の鍵は「業務整理」から始めること

多くの企業がDX推進に失敗する原因の一つに、「とりあえずITツールを導入してみる」というアプローチがあります。

しかし、非効率な業務プロセスをそのままデジタル化しても、根本的な問題解決にはつながりません。

DX成功の第一歩は、現状の業務フローを可視化し、課題を明確にすることです。具体的には以下のステップで進めていきましょう。

STEP1: 業務の棚卸しと可視化

現在どのような業務があり、誰がどのように行っているのかを書き出します。

特に以下の点に注目しましょう：

重複している作業はないか？
手作業で行っている定型業務はないか？
情報共有に時間がかかっている工程はないか？
ボトルネックとなっているプロセスはどこか？

STEP2: 課題の特定と優先順位付け

棚卸しした業務から、特に改善が必要な領域を特定します。

例えば：

日報・週報作成と集計に多くの時間を費やしている
現場と事務所間の情報共有がスムーズでない
見積作成に時間がかかり、営業機会を逃している
図面や書類の管理が煩雑で検索に時間がかかる

STEP3: 解決策の検討とツール選定

特定した課題に対して、どのようなデジタルツールが有効かを検討します。

ただし、いきなり全てを変えようとするのではなく、小さな成功体験を積み重ねることが重要です。

建設業DXで効果が出やすい領域

現場管理や書類管理などあらゆる場面でDXによる業務効率化が可能です。

建設業DXで特に効果が出やすい領域として以下に3つ紹介します。

現場管理のデジタル化

デジタル工程表による進捗管理
タブレットを活用した現場写真管理
クラウド型日報アプリの導入

これらの取り組みにより、現場監督の事務作業時間削減が可能です。

図面・書類管理のクラウド化

図面や施工記録などのデジタル保管
クラウドによる即時共有と検索性向上
ペーパーレス化による保管コスト削減

関係者間での情報共有がスムーズになり、最新情報へのアクセス性が向上します。

営業・見積プロセスの効率化

見積作成支援ツールの導入
顧客情報管理システム(CRM)の活用
オンライン商談ツールの活用

営業活動の効率化により、提案から受注までのリードタイムが短縮されます。

DX推進における注意点

DX推進にはもちろん注意点もあります。

DX推進には、以下の点に注意しましょう：

経営者自身の関与: トップダウンの姿勢を示すことが重要です
段階的な導入: 一度に全てを変えるのではなく、小さく始めて成功体験を積み重ねましょう
社員の意識改革: 「なぜDXが必要か」を共有し、全社的な取り組みにすることが成功の鍵です

専門家の活用: 自社だけで進めるのではなく、専門家のサポートを受けることも検討しましょう

まとめ：今こそ業務を整理し、DXへの第一歩を

建設業界を取り巻く環境が厳しさを増す中、DXへの取り組みは、もはや「やるか、やらないか」ではなく「いつ、どのように始めるか」という段階に来ています。

重要なのは、高額なシステム投資から始めるのではなく、まず自社の業務を整理し、どこに課題があるのかを明確にすることです。

その上で、適切なデジタルツールを段階的に導入していくことで、無理なく確実にDXを推進することができます。

人手不足、働き方改革、競争激化といった課題に直面している今こそ、業務の整理からDXへの第一歩を踏み出す絶好のタイミングです。

まずは自社の業務フローを見直し、デジタル化によって解決できる課題を特定してみませんか？