【保存版】不動産・車両リースバックで実現する資金調達
メリット・デメリットを徹底解説
中小企業の経営において、適切な資金調達は事業継続の生命線です。
しかし、従来型の銀行融資だけでは、必要な資金を十分に確保できないケースも少なくありません。
そこで注目されているのが、「リースバック」という選択肢です。
課題を理解し、適切に対処することが、今後の業界の発展において極めて重要になると考えられます。
株式会社デルタでは、これらの課題解決のひとつとして、資金調達や事業再生のコンサルティングなども行っております。
この記事では、不動産・車両リースバックについて、実例も交えながら詳しく解説していきます。
リースバックとは?
リースバックとは「セールス・アンド・リース・バック」の略になります。
第三者に所有権を売却し、不動産や車両の使用権は維持しながら、売却先の所有者に賃料を支払い、最後に買い戻すというものです。
事業用の不動産や車両を活用した資金調達方法として、近年注目を集めているのがリースバックです。
保持している資産の活用はそのままに、柔軟な資金調達手法として、経営改善や事業再生の場面でも活用されています。
主な特徴
- 資産の所有権は移転するものの、使用権は維持
- 売却代金を一括で受け取れる
- 毎月のリース料を支払いながら継続使用が可能
不動産リースバックのメリット・デメリット
不動産リースバックは、企業の重要な資産である不動産を活用した資金調達手法です。
事業継続性を確保しながら大型の資金調達が可能となり、財務体質の改善にも効果を発揮します。
メリット
- 即時の資金調達が可能
・売却代金を一括で受け取れるため、まとまった資金需要に対応可能
・銀行融資と比べて審査が比較的柔軟 - バランスシートの改善
・資産と負債が同時に圧縮され、財務体質が改善
・自己資本比率の向上につながる可能性 - 事業継続性の確保
・資産を売却しても事業活動に支障が出ない
・将来的な買い戻しオプションが付与されるケースも
デメリット
- コストの増加
・リース料に金利相当額が含まれる
・長期的には所有し続けるより総コストが高くなる可能性 - 契約期間の制約
・原則として中途解約が困難
・契約期間中は使用方法に制限がかかる場合も
車両リースバックのメリット・デメリット
社用車やトラック、建設機械などの車両は、多くの企業にとって重要な事業資産です。
特に医療法人や建設業など、多く車両を保持する会社には上手く活用すれば大きな恩恵が受けられます。
車両リースバックは、これらの資産を活用した機動的な資金調達を可能にし、車両管理の効率化にもつながります。
メリット
- 迅速な資金化が可能
・不動産と比べて評価が容易で手続きが短期間
・複数台まとめての売却も可能 - 維持管理の効率化
・車検や保険手続きをリース会社が代行可能
・経費の平準化が図れる
デメリット
- 減価償却の影響
・車両は減価償却が早いため、調達額が限定的
・売却価格が市場価格より低くなる可能性 - 契約条件の制約
・走行距離制限がある場合も
・原状回復義務が発生
業界別リースバック活用のポイント
業界によって保有する資産の特性や資金需要は大きく異なります。
ここでは、主要な業界別にリースバック活用の具体的なポイントを解説します。
建設業界での活用
建設業界では、工事の受注から完工までの期間に大きな運転資金が必要となります。
- また、高額な建設機械や重機を多数保有していることが特徴です。
- 建設機械や重機のリースバックによる資金化
- 本社ビルや資材置き場などの不動産リースバック
- 季節変動の大きい資金需要への対応
- 公共工事の入札参加に必要な自己資本比率の改善
- 工事の進捗に合わせた柔軟な資金調達
製造業での活用
製造業では、工場や生産設備など、高額な固定資産を保有していることが一般的です。
これらの資産を活用したリースバックは、設備投資や運転資金の確保に有効です。
- 工場建屋や倉庫などの不動産リースバック
- 生産ラインや大型機械設備のリースバック
- 設備更新時期に合わせた資金計画の立案
- 生産効率を維持しながらの資金確保
- 季節性商品の在庫確保資金への活用
運送業での活用
運送業界では、トラックやバスなどの車両が主要な事業資産となります。
これらの資産を活用したリースバックは、車両管理の効率化にもつながります。
- 大型トラックやバス等の車両リースバック
- 車両管理コストの削減効果の享受
- 定期的な車両更新計画との連携
- 燃料費高騰時の運転資金確保
- 複数台まとめての一括リースバック
小売業での活用
小売業では、店舗用不動産や配送用車両など、様々な資産を保有しています。
これらを活用したリースバックは、店舗展開や在庫確保の資金として活用できます。
- 店舗用不動産のリースバック
- 配送用車両のリースバック
- 季節商品の仕入れ資金への活用
- 新規出店や改装資金の確保
- EC展開時の物流施設整備資金
不動産業での活用
不動産業では、収益物件や開発用地など、多くの不動産資産を保有しています。これらを活用したリースバックは、新規開発資金や物件取得資金として活用できます。
- 収益物件のリースバック活用
- 物件ポートフォリオの組み替え
- 賃貸収入を維持しながらの資金化
- 開発用地取得資金への活用
- 既存物件のリノベーション資金確保
医療・介護業界での活用
医療・介護業界では、病院建物や医療機器、送迎用車両など、多様な資産を保有しています。これらを活用したリースバックは、設備更新や運転資金の確保に有効です。
- 病院建物や介護施設のリースバック
- 高額医療機器のリースバック
- 送迎用車両のリースバック
- 運転資金や設備更新資金の確保
- 新規施設開設資金への活用
リースバック契約時の注意点
リースバックは有効な資金調達手段である一方で、契約内容によっては企業経営に大きな影響を与える可能性があります。
ここでは、リースバックの契約時に特に注意すべきポイントについて解説します。
- 契約条件の確認
・契約期間
・リース料の設定
・中途解約の可否
・買い戻し条件(可能な場合) - 事前準備の重要性
・対象資産の適切な評価
・税務上の影響確認
・既存の担保権等の整理 - 将来を見据えた判断
・長期的なキャッシュフローの試算
・事業計画との整合性確認
まとめ
リースバックは、資金調達の選択肢として非常に有効なツールです。
特に、以下のような状況で検討する価値があります:
- 急な資金需要への対応が必要
- バランスシートの改善を図りたい
- 事業継続性を確保しながら資金調達したい
ただし、長期的なコストや契約条件については十分な検討が必要です。
自社の状況や将来計画、今回解説した不動産・車両リースバックのメリットやディメリットを踏まえた上で、リースバック活用の判断をすることをお勧めします。
課題を理解し、適切に対処することが、今後の業界の発展において極めて重要になると考えられます。
株式会社デルタでは、これらの課題解決のひとつとして、資金調達や事業再生のコンサルティングなども行っております。