個人事業主の資金調達!事業拡大・運転資金確保の具体的手法とは?
個人事業主にとって資金調達は事業の成長や安定運営に欠かせない重要な要素です。
株式会社ユーザベースが提供する、スピーダ(SPEEDA)の記事によると、近年のスタートアップ市場では2024年上半期の国内スタートアップ資金調達額が3253億円に達するなど、資金調達環境が活発化していますが、個人事業主でも適切な方法を選択すれば必要な資金を確保できます。
資金調達でお困りの個人事業主の方は、ぜひ株式会社デルタにご相談ください。
個人事業主が資金調達を考えるケース
個人事業主が資金調達を検討する場面は大きく3つのパターンに分けられます。
それぞれの状況に応じて最適な調達方法が異なるため、まずは自身がどのケースに該当するかを明確にしましょう。
事業拡大のための資金需要
個人事業主が資金調達を検討する主なタイミングは、事業の拡大期です。
具体的には、新しい店舗の開設、設備の増設、従業員の雇用、在庫の増加などが挙げられます。
日本政策金融公庫総合研究所の『2023年新規開業実態調査』によると、開業費用の平均は1,027万円、中央値は550万円となっており、事業拡大には相応の資金が必要であることがわかります。
運転資金の確保のための資金調達
売上の季節変動や取引先の支払いサイクルによって、一時的に運転資金が不足するケースも少なくありません。
特に個人事業主の場合、法人と比較して信用力が低く見られがちなため、資金繰りが悪化する前に早めの対策が重要です。
新規事業への参入
既存事業から新しい分野への展開や、デジタル化による業務効率化のための投資も資金調達を検討するタイミングです。
変化する市場環境に対応するためには、積極的な投資が欠かせません。
個人事業主におすすめな資金調達方法
個人事業主が利用できる資金調達方法は多岐にわたります。
それぞれの特徴を理解し、事業の状況や資金の用途に応じて最適な方法を選択することが成功の鍵となります。
日本政策金融公庫による融資
個人事業主にとって最も利用しやすい資金調達手段は、日本政策金融公庫の融資制度です。
令和4年度末の時点で119万先が利用しており、1先あたりの平均融資残高は935万円となっています。
また、融資を受けた方の73.2%が従業員4人以下の小規模事業者であり、個人事業主でも利用しやすい環境が整っています。
主な融資制度
日本政策金融公庫では、新規開業資金として限度額7,200万円(うち運転資金4,800万円)までの融資を提供しています。
また、一般貸付では4,800万円(特定設備資金は7,200万円)を限度とした融資も利用できます。
制度の利点
この融資制度の大きな特徴として、設備資金については20年、運転資金については7年(特別な制度については20年)までの長期返済期間が設定されていることが挙げられます。
さらに、2024年3月から自己資金要件が撤廃されたため、以前よりも利用しやすくなりました。
創業融資の場合、3,000万円まで(運転資金については1,500万円まで)の申込みが可能で、これは他の金融機関にはない大きな額となっています。
制度融資(信用保証協会付き融資)
各自治体が窓口となって提供する制度融資も個人事業主にとって有力な選択肢です。
信用保証協会が絡んでいることによって、個人事業主が融資を受けた際に返済できない状況が発生したとしても、信用保証協会が代位弁済する仕組みになっています。
制度融資の特徴
制度融資の最大の利点は、低金利での借り入れが可能であることです。
また、信用保証により審査が通りやすくなっており、各自治体独自の優遇制度も用意されています。
ただし、注意点として、すべての審査が完了するまでに数ヶ月必要となってしまうこともあります。
銀行・信用金庫からの融資
一般的な金融機関からの融資も選択肢の一つですが、個人事業主の場合は審査が厳しくなる傾向があります。日頃の取引から信用を積み上げていくことが大切です。
ビジネスローン
ビジネスローンは比較的審査が早く、資金調達を急ぐ個人事業主にとって有力な選択肢です。
ただし、他の融資制度と比べて金利は高めに設定されています。
ファクタリング
売掛金を早期に現金化するファクタリングも注目されています。審査スピードが速く、原則として担保や保証人も不要なため、急な資金ニーズにも対応しやすいのが特徴です。
クラウドファンディング
クラウドファンディングは不特定多数の人から資金を募る仕組みで、銀行などから借りるというのではなく資金を受け取るサービスです。
融資と違いクラウドファンディングは返済義務がありませんが、返礼品の準備が必要です。
個人事業主が自分に最適な資金調達を知るには?
適切な資金調達方法を選択するためには、まず自社の状況を正確に把握することが重要です。
以下の4つのポイントを整理して、最適な調達手段を見極めましょう。
資金用途の明確化
まずは資金の使用目的を明確にすることが重要です。融資担当者が審査のときに重視するのは、融資した資金がどのように使われて、どのように利益を生み出し、いつ返済されるのかという点です。
必要金額と返済能力の把握
日本政策金融公庫の「2023年度新規開業実態調査」によると、資金調達額に占める自己資金の割合は約23.7%でした。
一般的に、融資希望額の3分の1以上の自己資金を用意するのが理想とされています。
緊急性の評価
資金が必要な時期によって選択肢が変わります。緊急性が高い場合にはビジネスローンやファクタリングが適しており、中長期的な計画であれば日本政策金融公庫や制度融資を検討することをお勧めします。
また、設備投資が目的の場合は、日本政策金融公庫や銀行融資が適切な選択肢となります。
事業計画書の作成
日本政策金融公庫の融資審査では事業計画書の内容が重視されます。楽観的な内容や主観に基づいた内容ではなく、根拠に基づく妥当性のある事業計画を作成することが重要です。
個人事業主が資金調達をする際の注意点
資金調達を成功させるためには、準備段階での注意点を理解しておくことが重要です。
特に個人事業主の場合は、法人とは異なる審査基準や要求事項があるため、事前の準備が成否を分けます。
信用情報の管理
個人事業主の融資審査において、申込者本人の信用情報は非常に重要視される要素です。
クレジットカードやローンの未払い・滞納がある場合は、審査に通過することは難しいため、日頃から信用情報の管理に注意が必要です。
事業と個人の資金分離
公庫の融資は「事業用資金」に限定されているため、申込時は事業と個人のお金の流れを明確に分けておくことが重要です。
事業用と個人用の銀行口座を分け、収入・支出を明確に管理しておきましょう。
適切な書類準備
確定申告を青色申告で行う場合は、開業届を提出している必要があります。
また、融資を行う機関が弁済能力を判断するために参照できるのが確定申告書類や決算書となるため、適切な会計処理と確定申告が重要です。
返済計画の現実性
無理のない返済計画を立てられるよう、計画的に自己資金を準備することが大切です。
売上予測は保守的に見積もり、余裕を持った返済計画を立てましょう。
複数の選択肢の検討
日本政策金融公庫と制度融資(信用保証協会付融資)を同時に申し込む方法もあります。
ただし、設備資金については重複して申し込まないよう注意が必要です。
専門家の活用
融資を受けるための審査を自力で申請すると通過率は50%程度と言われていますが、税理士など専門家のサポートを受けることで、通過の可能性を上げることができます。
自治体の相談窓口や地域の商工会議所、顧問税理士などの専門家のサポートを受けながら融資の相談をすることもひとつの方法です。
資金調達のご相談は株式会社デルタまで
個人事業主の資金調達は、適切な方法を選択し、十分な準備を行うことで成功の可能性を大幅に高めることができます。
事業の成長段階や資金の用途、緊急性などを総合的に判断し、最適な資金調達手段を選択することが重要です。
自己資金要件の撤廃、融資限度額の大幅増額など、創業者にとって嬉しいリニューアルが行われた日本政策金融公庫の制度をはじめ、様々な選択肢が用意されています。
しかし、創業融資の要件が甘くなったと考えるのは早計であり、引き続き十分な準備と戦略的なアプローチが必要です。
資金調達でお困りの個人事業主の方は、ぜひ株式会社デルタにご相談ください。
豊富な経験と専門知識を活かし、お客様の事業に最適な資金調達方法をご提案いたします。